WBSCプレミア12とWBCの違いって何?

2015年の11月に第1回大会が開催される野球の世界大会であるWBSCプレミア12。各国の代表チームによる国別世界一決定戦でもありますので楽しみにされている人も多いことでしょう。

しかし、単純な疑問としてWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)と何が違うの?と思われたのではないでしょうか?

どちらの大会も国別の国際大会でありますし優勝すれば世界一。大会の名称が違うことは分かりますが、内容的に何が違うのかを調べてみることにしました。

主催者と開催に至る経緯の違い

まず、2つの大会の大きな違いとして大会主催者が違うということが挙げられます。プレミア12は国際野球連盟(IBAF)と国際ソフトボール連盟(ISF)を統合した国際組織である世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が主催し、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)はメジャーリーグベースボール(MLB)機構とMLB選手会によって立ち上げられたワールド・ベースボール・クラシック・インク(WBCI)が主催する大会となっています。

大会主催者は違いますが、どちらの大会も世界野球ソフトボール連盟(WBSC)公認の世界大会となっています。それなら1つの大会でいいのでは?とも思ってしまいますが、これには両大会が開催されるまでの経緯も関係してきています。

2006年に第1回大会が開催されたWBCですが、アメリカ以外の国籍を持つメジャーリーグ選手が増えてきたことに伴って、アメリカ以外の国でMLB開幕戦を開催するなどMLBは世界にも進出し始めました。

そして、さらなるMLBの拡大や収益の拡大を狙って提案されたのがWBCです。当時の世界大会は国際野球連盟(IBAF)が主催していましたが、そこに参加していなかったメジャーリーグ選手を含めたプロ・アマの混合の野球世界一決定戦として開催されることになりました。

一方、プレミア12の開催経緯はオリンピックと関係があります。オリンピックでの野球は2008年の北京大会を最後に開催競技から除外されてしまいました。それによって国際野球連盟(IBAF)は国際オリンピック委員会から(IOC)からの補助金を失ったことや国際大会での出費がかさみ財政難に陥ってしまいました。

そこでIBAFは財政難から脱出するために、MLBから財政支援を受けることとなったのです。しかし無条件で支援を受けることはできず、IBAF主催の国際大会の廃止やWBCをIBAF(現WBSC)公認大会にすることが提示され、それをIBAF側が受け入れたためWBCはWBSCの公認大会となり、国際大会の再編によってWBSCプレミア12が開催される運びとなりました。

参加国と出場資格の違い

プレミア12は招待制となっておりWBSC世界野球ランキングのトップ12の国が参加して開催されることになっています。WBCは第1回、2回大会は招待制でしたが第3回大会からは予選を導入した大会方式になっています。

プレミア12とWBCでは代表チームへの出場資格も違ってきます。プレミア12の方は『五輪憲章に基づいたルール』となっています。詳しくは記載されていなかったのですが、五輪憲章の競技者の国籍という項目に『同時に2つ以上の国籍を持つ競技者は自己の判断によりどちらの国を選択してもよい』という一文がありましたので、おそらく選手本人がその国の国籍を取得しておればその国の代表になる資格はあるということだと思います。

それに対してWBCの出場資格は、選手本人が(1)当該国の国籍もしくは永住資格を持っている。(2)当該国で出生している。(3)親のどちらかが当該国の国籍を持っている。(4)親のどちらかが当該国で出生している。となっています。

このことからプレミア12は選手本人が代表となる国の国籍を持っているのが条件になるのに対し、WBCは本人がその国の国籍を持っていなくても条件次第で代表になる可能性はあるということになります。

プレミア12は当初、プロ主体の大会でありメジャーリーグ所属の選手も出場できるように交渉しているとされていましたが、MLB機構はメジャー契約の選手はプレミア12に派遣しないと発表しました。

日本代表で例えると日本野球機構(NPB)にするプロ野球選手は出場しても良いが、ダルビッシュや田中将大選手などMLBに所属する選手は出場できないということになります。

まとめてみると

個人的な意見も入ったまとめになってしまいますが、もともと国際大会を主催していたIBAF(現WBSC)とMLBの拡大と収益が目的となってきたMLB。それぞれが別の国際大会を主催してきたが、IBAFの財政難により立場が変わる。表向きはWBSCが中心となっているように見えるが、実際はMLBの傘下になってしまっているような印象を受けてしまいます。

出場選手を見てもWBCはメジャーリーグ所属を含めたプロ・アマ選手が対象になったいますが、プレミア12はメジャーリーグを除いた選手が対象となっています。出場選手のレベルで見てもWBCの方が格上のような感じになっています。

また、大会のルールを見てもプレミア12はピッチャーの球数制限がないのに対し、WBCは球数制限があり好投手が多いチームが有利になるようにできているなという印象を受けますし、組み合わせも少し不自然な感じを受けました。

プレミア12の詳細が分かってくるまでは大会主催者と勝ち上がり方式が少し違うだけで、毎日新聞社が主催の選抜高校野球(春のセンバツ)と朝日新聞社が主催の選手権大会(夏の甲子園)くらいの違いかなと思っていましたが、全然違うものになりそうな感じです。

野球の国際大会が増えるのは楽しみなのですが、1つにまとまっている感じを受けない点や東京オリンピックの問題など正直、このままで野球は大丈夫かと思ってしまいます。

希望としては世界中の子供たちが将来、大会に出場したいと思えるような素晴らしい大会になればいいなと思っていますが、各団体が歩み寄ることなくそれぞれの主張が強すぎると、野球ファンも冷めていってしまい両大会とも中途半端な状態で終わってしまうのではないかと心配しています。

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